滋賀大学は、米OpenAIが提供する「ChatGPT Education」を、国内の大学に先がけて4月1日から導入する。
滋賀大学は日本初となるデータサイエンス学部・研究科を設置し、データサイエンス・AI領域における国内屈指の研究教育機関として知られる。これまで、生成AIに関する講義の実施、企業と連携したシステム開発における生成AIの適用、世界的な半導体メーカーとの連携による共同研究など、数多くの先進的なプロジェクトを推進してきた。教員向けの生成AI活用ワークショップも実施し、教育現場での生成AI技術の有効活用を促進している。

今回、大学院教育において「ChatGPT Education」を導入することで、実際に企業活動などで使用されている生成AI技術に学生の段階から触れる機会を提供。実践的なスキルを身につけられる質の高い教育環境を整備・実現していく。
あわせて、以下のような活用を視野に入れ、より高度な教育環境の実現に取り組んでいく。
- 「Canvas」を用いて、学生がプログラムを書く際のエラー原因や最適なコードの書き方を提案させるといった、Pythonなどのプログラミング習得を補助する教材として利用
- 語学学習や外国語の論文執筆に関する教育での文章添削に活用
- 本学独自の教養教育である未来創生リベラルアーツプログラムで学びを深めるための情報提供に活用
- データ分析機能を用いて、学生の学習状況・成績データ等を分析し、個別の学習プランやアドバイスを提供
- カスタムGPTを用いて、学習支援室の質問受け付けをサポートして、夜間・休日にも学生の質問に自動応答させる
同学は、2022年度に全学DX推進計画を策定し、教育・研究DXに加えて業務DXにも取り組んできた。この取り組みを通じて、大学運営改革として事務職員の出退勤管理、給与明細および年末調整のオンライン化を実現。それとともに、学生対応改革として各種手続きのオンライン化を進めることによって、窓口に来訪することなく手続きを完了させられるよう、学生・教職員双方にとっての効率化を図っている。
さらに、若手職員による「DX・RPAチーム」を発足させ、業務の効率化についての研修や勉強会、大学業務に対する考え方についての意見交換会などを頻繁に開催するとともに、各事務部門の業務課題の洗い出しや若手職員全体を巻き込んだプロジェクトチームを組織し、業務のDX化に取り組むなど精力的に活動してきた。
今回の「ChatGPT Education」導入によって、さらなる学生サービス向上や各種事務作業の縮減を進め、第4期中期計画に定めたデジタル・キャンパスの実現を一層加速する。
そのほか、生成AIを用いて効果的に研究を実施する、論文の校正に生成AIを活用する、生成AIで授業を改善するといった、研究者が研究や教育活動をより効率的に進められる環境の整備も進めていく。
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