鳴門教育大学は、AIを活用して学生の学びを可視化するスマートフォンアプリ「セルデザ」を開発したことを、3月3日に発表した。本格運用は4月に開始する。

「セルデザ」は、学生個々の成績などのデータを自動で反映するとともに、学生が授業や実習、それ以外の生活での気付きなどをテキストデータとして記録し、スマートフォンで一元的に確認できるようにするアプリ。学生が継続して取り組めるよう、蓄積された定量データ・定性データからAIが分析したフィードバックを受け取れる。


鳴門教育大学では、今後の学習観・指導観の転換を担う教員のあり方として「主体的に学び創造的に実践する教員」の養成を目指しており、教員として主体的に学ぶ力を有し、子どもの多様性や教育課題の複雑さに対応した教育実践を作り出せるよう、教員養成改革に取り組んでいる。
一方で、学生に対し同じような教員像を求めるのではなく、学生一人ひとりが自分の特長を生かして教員として活躍することが、子どもにとっても大切であるとも考えている。このことから学生には、どのような教員として子どもの前に立とうとしているのか、どのような教員になりたいのかといった、自身の教員像を絶えず創り上げていくことを求めている。
そこで同学では、大学が要求する能力の評価規準(スタンダード)に学生の学修を合致させるというこれまでの教育(規準適応型教育)から、自己の成長課題に向けた主体的な学修「セルフデザイン型学修」への転換を図る一環として、「セルデザ」の開発に至った。なお開発にあたっては、教員養成ならではのデジタル・トランスフォーメーション(DX)を強力に推進すべく、同学にて2022年4月に設立された「教員養成DX推進機構」が中心となった。
さらに「セルデザ」の開発にあわせて、「セルフデザイン型学修」に対応する指導体制も整備。学生が「セルフデザイン型学修」を身に付けるため、学校教育学部1年次必修科目として「鳴教大生 学びの第一歩:学びのセルフデザイン」を設けている。また、大学教員が学生の学びをファシリテートするよう、学生と大学教員との定期的な面談の機会を設け、大学教員が伴走者となって学生のセルフデザイン型学修をサポートしているという。
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