コクヨは、努力を見える化することで大人の学びをサポートする「大人のやる気ペン」の先行販売を1月29日から3月15日まで「Makuake(マクアケ)」で実施している。1月29日にはメディア向けの発表会が同社の品川オフィスで行われた。
2019年に発売されたコクヨのIoT文具「しゅくだいやる気ペン」は、スマートフォンのアプリと連動して子どもの日々の努力を「見える化」し、自発的な学習の習慣化を促す商品。販売台数は5万台を突破し、約8割の親子が学習習慣化の効果を実感している。
子ども向けの商品として販売されている「しゅくだいやる気ペン」だが、SNSやECサイトのレビューなどから大人が自分自身の勉強のために使っていることが判明し、大人向けの商品を望む声も上がっていたという。発表会に登壇した同社の中井信彦氏は「大人の勉強には、応援してくれたり叱ってくれたりする存在がない。最後は自分で何とかしなくてはいけないという『孤独感』があるのではと考えた」と話す。
同社が18歳以上65歳未満の人(サンプル数:1万197人)を対象に、2024年4月に実施した調査によると、直近1年間で資格学習に取り組んだ人の割合は全体の26%で、そのうち71%が資格試験をあきらめてしまったことがあるという結果になった。また、勉強する中で感じている一番の課題は「モチベーションの維持」で、勉強する際にペンで書いている人は80%であることが明らかになった。
こうした背景のもと、開発されたのが「大人のやる気ペン」だ。デバイスの本体重量は約8gと小型軽量化を実現し、子ども向けの商品と比較すると約60%軽量化されている。市販の筆記具やスタイラスペン(適合目安:直径9~13mm)に取り付けて使用することができ、加速度センサーによる測定データを、ペンを手に持って勉強に取り組むことで溜まる「やる気パワー」として記録として記録。ペンのLEDの色変化として見える化する。データは本体内のメモリに保存され、学習後にBluetoothでスマートフォンと通信し、専用アプリと連動する(アプリはiOS 16以上、Android 10以上に対応)。充電は付属のケース型の充電器で行い、1日に2時間学習した場合は1週間の稼働が可能となっている。
専用アプリには、子ども向けの「しゅくだいやる気ペン」で培った同社独自の習慣化メソッドが活かされている。日々の「やる気パワー」の量を1日や1週間、1カ月単位でグラフ化。カレンダー機能もついているので、学習の習慣化をチェックできる。
また、1週間の学習傾向に合わせて「叱咤激励」のメッセージが届くほか、自身のアバターが「やる気パワー」の量に応じてすごろく形式のステージを進み、アイテムを獲得するゲーミフィケーションの要素も取り入れられている。すごろくを進める中で、ほかのユーザーのアバターに出会うこともあり、ほかの人の「目指している資格」や「勉強のコツ」「勉強する理由」などを知ることができる。こうした要素によって、勉強仲間同士のモチベーションアップの循環が生み出される。
なお、アプリは無料で利用できるが今後は有料コンテンツの追加も検討されており、ほかの人のより詳細な学習データを見られるといったオプションを予定しているという。
「大人のやる気ペン」の一般販売価格は9900円で、Makuakeでの先行販売では早割なども実施されている。
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