文部科学省は、令和6年度（2024年度）「各学校・課程・学科の垣根を超える高等学校改革推進事業（学びの機会の充実ネットワークの構築）」の公募を、11月5日17時までの期間に受け付けている。対象校種は国公私立の高等学校。
高等学校は中学校からの進学率が約99％に達し、多様な背景を持つ生徒が在籍している。このことから、高等学校では、義務教育段階において育成された資質・能力を発展させつつ、生徒の多様な能力・適性、興味・関心などに応じた学びを実現することが必要とされる。
しかしながら現状では、学校の立地やリソースなどにともなう制約によって、学校が生徒の多様な学習ニーズに対応しきれていない、または潜在的なニーズを引き出せていないといった課題を抱えている。
このような現状を受けて、高等学校教育の在り方ワーキンググループが2023年8月に公表した中間まとめでは、これらの課題を解決すべく地理的状況や各学校・課程・学科の枠に関わらず、いずれの高等学校でも多様な学習ニーズに対応して、潜在的なニーズに応える柔軟で質の高い学びを実現し、すべての生徒の可能性を最大限引き出せるようにしていくことが求められる。
その方策として、教科・科目充実型の遠隔授業や通信教育の活用、学校間連携等の促進等を一層進めていくことが重要とされている。
今回、公募が開始された同事業では、遠隔授業や通信による教育の方法を活用しつつ、地理的状況や各学校・課程・学科の垣根を越えて、多様な高校生一人ひとりの学習ニーズに応える新たな通学型高校のモデル創出を目指し、実証的資料を得ることを目的に調査研究を行う。
具体的には、原籍校において安定した登校が難しい生徒に対する学びの保障や、原籍校で開講されない科目の履修といった生徒の多種多様なニーズに応えるべく、通信制高校や教育センターなどを中心拠点に、遠隔教育や通信教育を活用した積極的な域内の学校間連携・併修ネットワークを構築する。学校間連携・併修ネットワーク構築の委託先は、都道府県・市町村教育委員会、国公立大学法人、学校法人等となり、委託対象経費としてネットワークの構築、運営に必要な経費が支援される。支援数と単価は、指定校13か所は1か所あたり約700万円、伴走支援1か所は約1300万円となる。
あわせて、都道府県の枠組みを超えた複数の高等学校によって構成される、学校群ネットワークを構築する。これにより、複数高校での合同授業（総合的な探究の時間や学校設定科目を想定）の実施を通じて、生徒同士の学び合いの深化、各々の得意分野を持つ指導者・外部人材といったリソースの共有を図る。学校群ネットワーク構築の委託先は民間団体等となり、委託対象経費として都道府県を超えたネットワーク構築に必要な経費（人件費、旅費、謝金等）が支援される。支援数は1か所で、単価は1か所あたり年間約1000万円となる。
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